在宅医療における看護師の役割

看護師の仕事は、医療機関内の勤務だけではありません。時には、医師とともに患者の自宅へ訪問して、診療することもあります。在宅医療で一般的なのは、往診と訪問診療でしょう。この2つは、在宅で診療する点においては似通っているものの、実態は大きく異なります。看護師に求められるスキルは基本的には同じで、仕事内容は医師が行う在宅医療のサポートが中心です。ただ、それぞれのスタイルによって、いくつかポイントも変わるので、しっかりと押さえておきましょう。

まず、往診は患者の緊急事態に対応する在宅医療です。急に体調を崩した、転んで怪我を負ったなどの場合に対応します。緊急事態なので、同行する看護師は、医師のサポートをより迅速に行わなければいけません。また、突然の出来事に、患者が困惑している可能性もあります。そうした患者の心を落ち着かせるのも、看護師の役目です。積極的に声がけして、患者に安心感を与えることを意識しましょう。

訪問診療は、あらかじめ患者と相談しながら、スケジュールを組んで行う在宅医療です。往診と比べれば切羽詰っている状況にはないですが、円滑なサポートを心がけるに越したことはありません。そして、訪問診療は1週間から2週間に1回は訪問します。つまり、患者との信頼関係が、大きな鍵を握ることになるのです。患者と十分にコミュニケーションを図り、患者本人の心に寄り添うことも、看護師にとって大切な仕事といえるでしょう。